カテゴリー別アーカイブ: 文化人類学

トウモロコシと北米の先住民族にまつわる話

ポップコーンや焼きもろこし、コーンポタージュ、サラダの中に、日本で馴染み深いトウモロコシがメキシコ原産だと知っていましたか?

現在のメキシコ南部で様々な説があるようですが、10,000年ほど前からトウモロコシの祖先となる植物の栽培が始まったようです。トウモロコシは長い時間をかけて現在のような形になりました。そして、トウモロコシは北米*各地に単なる栄養源としてだけではなく、文化的、宗教的に重要な品として広がりました。

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*北米: この記事では現在のアメリカ合衆国の本土とアラスカ、カナダやメキシコなどのメソアメリカ地域を含むことにします。

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本物の日本料理? 食文化も変わる

今回のポイントは「文化は変化する」です。文化が変化する例を日本の料理や食文化の中に見ていきましょう。

「伝統」や「文化」が常に変わらないと信じ込んでしまうことがあるかもしれません。また、常にそこに存在していたものを「当たり前だ」と信じ込んでしまうことがあるかもしれません。しかし、文化人類学で「伝統」や「文化」が常に変化し続けていること学ぶことがあるかもしれません。

食に関する文化も例外ではなく、時代の移り変わりや、他文化との接触によって常に変化します。「これが日本の食文化だ」や「日本の料理はこれだ」、「これは本物の日本料理じゃない」といったことを耳にすることがあるかもしれませんが、今、日本の料理として定着している品が昔は新しかったり、違う形をしていたということが多いのです。

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差別に基づいたモデルマイノリティの概念

差別というと、特定の人種やグループに属する人々の悪口を言ったり、また平等な機会を取り上げることによって特定のグループに属する人々のあらゆる権利を奪う形が一般的には語られことが多いでしょう。しかし、実際には差別を受けているマイノリティを理想化したり過剰に称賛する形の差別があります。それがモデルマイノリティの俗説 (英: model minority myth)と言います。モデルマイノリティ (手本や見本となる少数派) とは、差別をされていても教育やビジネスで成功を収めたり、法律や規則に従っていて社会の中でも手本になる少数派の事を示します。

もちろん、成功を収めることや規則に従うことは社会の中では歓迎されることではありますが、この考え方には少し問題があります。マイノリティの成功や良い行いを「素晴らしい」と称賛するだけでは、なぜそこまでマイノリティが特別に努力をし、社会で認められる行いをしなくてはいけなかったのかを無視してしまいます。pexels-photo-267885.jpeg

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人種ってなに?

「人種」という言葉は普段世界の様々なグループのことを語る時に何気なく使われています。たとえば、「黒色人種(黒人)」や「白色人種(白人)」、「黄色人種」と世界の人々を分類していることを見かけます。また、科学風に「ネグロイド」や「コーカソイド」または「コケイジャン」など言う人も見かけます。

でも、実際に「人種」って何なのでしょうか?

出来るだけ単純に説明するなら、人種には生物学上の根拠は無く、社会の中で作り上げられてきた人類を肌の色などで区別、差別する概念と言えるでしょう。

どういうことなのか見ていきましょう。

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社会全体からの差別

「差別」に関して話をしていると単に一人がもう一人を外見や身分に基づいて差別する個人的な差別に注目しがちかもしれない。例えば、街中で自分とは外見が異なる人を見て「国に帰れ」と怒号を浴びせる人がいる。もしくは妊婦を電車の中で睨みつける人もいるかもしれない。個人的な差別はあからさまで分かりやすい。

しかし実際には社会全体と、その仕組、そのメンバーたちが特定のグループを差別する、社会全体からの差別も存在することを忘れてはいけない。 社会全体からの差別 の続きを読む